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軽度者に対する介護給付の見直しによるサ高住事業への影響


軽度者に対するその他の給付の見直し-1_convert_20150508153803


財務省は27日、財政制度等審議会の会合を開き、今後の社会保障制度改革の方針を提案した。
その中で最も気になったのが、状態の軽い高齢者への介護保険給付のカット。
要介護2以下が対象の介護保険サービスを「地域支援事業」に移行するというものだ。そのうち
訪問介護の生活援助や福祉用具の貸与、住宅改修の給付についても自己負担を原則とする仕組み
に切り替えることも提言している。

財務省が大胆な費用の抑制策を打ち出すのは毎度のことだが、事実、訪問介護、通所介護に係る
介護予防支援は、平成29年度末までに地域支援事業へ移行することが決定している。
いくつかの事業所へヒアリングを行ったが、来年4月の事業移行をにらみ、民間の訪問介護事業所
が要支援者への介護サービスの提供を制限又は停止する事例が増えており、なぜかNPO法人への
問い合わせが急増しているといいます。ある市では要支援は引き受けないと宣言した事業所もあっ
て、市からお怒りの通知が出たとか出ないとか。

そしていよいよ要介護1.2への給付制度の見直しです。

財務省の見解としては、地域の実情に応じたサービスを効率的に提供する観点から、柔軟な人員
・設備基準として自治体の裁量を拡大し、自治体の予算の範囲内で実施する枠組みへ移行すべき
ということなのだが、いったいどこの自治体に今後急増する要介護2以下の介護サービスを支え
られる給付資金があるというのだろうか。
ちなみに平成24年度の要支援1.2、要介護1.2への介護給付費の合計は、31,008億円である。
年間3兆1千億円・・・

(参考)諸外国における介護制度との比較_convert_20150508153854

さらに、諸外国における介護制度との比較として、介護に社会保険制度を採用しているドイツ、
韓国を例に挙げ、給付は中重度者のみが対象とされており、日本の要支援者、要介護1.2に相当
する軽度者は対象外とされている点を突いた。さらに、利用者本人負担についてもまだまだ足り
ないと。

話をサービス付き高齢者向け住宅事業に落とし込んでみます。

私は最近、介護保険制度に依存したサ高住のビジネスモデルに疑問を感じている。
サ高住は賃貸住宅だ。しかし、その実態は、要介護1.2程度の軽度要介護高齢者を集め、本当に
必要なのだろうかと思われる介護サービスを提供し、事業の継続性を担保するビジネスモデルに
成り下がってきていると懸念している。すべての事業者がそうではないが、サ高住にデイサービ
スを併設させ、入居者のほとんどが朝から晩までデイの机に突っ伏している自由を奪われた状態
を見ていると、これが本当の自立支援なのだろうか、本人の希望する生活なのだろうかと悔しさ
がこみ上げる。

そもそも要介護1.2の高齢者に対する介護サービスって本当はどの程度必要なのだろうか。
入居者が自分でできる事を奪ってしまい、自分らしく生活する本来の生活を阻害しているのは、
実は私たち自身ではないだろうか。そんな疑問がいつも頭を駆け巡る。もちろん銀木犀でも入居
者に出来ることは自身でやってもらっている。しかし、要介護1.2向けの介護サービスそのものを
無くしてしまったらどんな化学反応が起きるのか。その可能性にかけてみたい人や実践をしてい
る事業者が増えていることも間違いない。今日も1日銀木犀に居ましたが、自分でできるのに、
やってもらうことに慣れてしまっている入居者がたくさんいた。

もちろん「本当に必要か否か」の線引きは、現場で介護を行っている人と財政悪化を食い止めよ
うとする人では考え方は違うと思います。しかし、我々業界の人間は次の世代にツケを回さない
ようにと、声高に唱えているわりには、日々、介護保険の給付に頼り生活の収入を得ているのです。

財務省は、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」が2014年度末時点で1053
兆3572億円になったと発表しました。13年度末から28兆4003億円増え、過去最大を
更新です。毎年垂れ流す赤字としては、あまりにもデカすぎてもうよく分かりません。だけど、
経営者の端くれの意見としては、この赤字経営の株式会社日本は、このままいけば、どこかで破綻
をします。毎年50兆円を超える国債を日本銀行が購入できなくなる時は必ず来ます。
そして、それはそんなに遠い話ではない。

ところで、サ高住事業の収入の柱は、大きく分けて、家賃、共益費、生活支援サービス費、食費、
そして、介護保険事業の収入となります。そのうち、共益費、食費は利益を上げることはできなく
て、こと銀木犀においては、生活支援サービス事業は完全に赤字です。一時金はおろか、敷金礼金
もとらずに月額費用も15万円(食費込み)前後と設定している銀木犀は、介護保険サービスの収入
がなければ事業の継続は難しいビジネスモデルなのです。この価格設定は厚生年金の範囲内で安心
して生活をして頂きたいという願いから決定しました。月額費用は安ければ安いほど入居者・家族
は安心です。

そして、今回の財務省の制度改革の方針発表。全国のサービス付き高齢者向け住宅の平均介護度は
1〜2程度。財務省の給付カット狙いのど真ん中、まさに、サ高住の入居対象者にあたります。
業界の中でも平均的な価格設定とされている銀木犀でもこの状況ですから、もっと安い価格設定を
しているサ高住は、介護保険の収入が無くなってしまえば、事業の継続性は失われるといっても過言
ではありません。また、これは、サ高住事業だけにとどまる話ではない。軽度要介護者に対する給付
が手厚い特定施設(介護付き有料老人ホーム)においても同様の課題なのです。グループホームも、小規
模多機能も、すべての事業が対象です。

27日の財務省の発表から毎日毎日考えていたんです。
これは、いったいどういうことなんだろうって。

もし仮に、3年後の介護保険改正で要介護1.2の方への介護保険サービスが地域支援事業へ移行との
決定がなされたら、年間3兆円(3年後だからもっとだ)以上の介護給付費が削減できることになる。
もしそんなことができたら、本当にすごいことだなとも思ったんですね。
もちろん自治体の負担は増えますが、無い袖はふれないことになるのは間違いない。

こんな事言ったら、協会の人たちにぶっ飛ばされてしまうかもしれませんが(笑)、それも意外と日
本人の使命なのかもしれないなと。もちろんいきなりは難しいと思いますが、段階的に、本当に必要
なサービスだけを残して、最終的にはなくしてしまう。むしろ、軽度者に対する介護ニーズなど必要
ない世の中になっているのがベストです。どちらにしてもこれからの高齢化社会は、国民一人ひとり
が自らの頭で考え介護サービスは極力受けない生活を実践する機運が高まることは間違いない。

高額な一時金が必要なコミュニティの形成ではなくて、いざというときの安心だけついた高齢者住宅
で、自分自身の力で生活をし続け、自然発生的に生まれる互助共助、多世代の交流。そして、ピンピ
ンコロリと自然な老衰。そんな自分らしくの理想を追求できる普段着の家。
それこそがサ高住の理想のゴールなのかもしれないと思いはじめました。

長文お付き合いくださりありがとう。まだ、自分の中でも全然まとまっていませんね。笑
なんせ頑張ります。チャンス到来です。

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下河原忠道

株式会社シルバーウッド代表取締役
/薄板軽量形鋼造システム スチールパネル工法躯体販売事業/サービス付き高齢者向け住宅「銀木犀 ぎんもくせい」運営/財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会理事

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